恋する乙女は、この先。

どうも。カフェイン中毒です。

 

知人が髪を伸ばしているらしい。

大学時代から付き合ってきた恋人と結婚するのだそうだ。

 

コロナ禍でしばらく会えていない彼女の姿を思い出した。

顎のラインで一直線に切りそろえられた、

日本人形を彷彿とさせる黒髪だった。

 

退屈な講義が始まると、

こくんこくんと揺れる頭に合わせて

さらさら、さらさら、

静かな音楽を奏でているのだなと

その後ろ姿を眺めていた。

 

あの彼女が

愛しい男との結婚式に備え

女の命とも呼ばれるそれを

毎日、毎日、細くて白いあの指を使って

丁寧に梳かしているのだ。

 

恋愛結婚と聞くと、

与謝野晶子の略奪婚を思い出す。

 

当時妻子のあった詩人・与謝野鉄幹に一目惚れ。

不倫を超えての略奪婚。

12人の子供を授かりながらも

収入のない夫を支えつつ

仕事に邁進したという逸話は何度聞いても面白い。

 

ふつう、そこまで人を愛せるものだろうか?

 

努力というものは、努力する才能がある人間がするのだと聞いたことがある。

ならば、人を愛せるというのも才能のうちなのだ。

 

コロナで青春をちょっぴり奪われている

恋する乙女たち。

この先、誰をどのように愛して生きていくのだろう。

 

明日は晴れるといいですね

良い夜をお過ごしあれ